暇つぶし。

「ジャンケンしよう」
『何の?』
「トイレ掃除」
『勝ったほうが?』
「負けたほう」
『オーケー。でもジャンケンは飽きたから、インディアンポーカーで決めよう』
「・・・わかった。ただ何回やるんだ?」
『1発勝負。ただし、それだと駆け引きがないから、お互い、流局宣言(ドローし直し)を1回ずつ使える、ということにしよう』
「なるほど」



『引いた?』
「引いた」
『「せーの」』




『ふーん』
「・・・・・・」
『ちょっとタンマ』
「え?」
『あの、これは紳士協定なんだけど』
「なんだよ、紳士協定って」
日本シリーズで、先発投手の予告をするしないでいつも揉めんじゃん』
「意味わからん」
『戦国時代とかで、自分の娘を他国に嫁に出して同盟しといて、あとで攻めるじゃん』
「んで?」
『あのさ、もし流局宣言しない、と誓ってくれたら、君のカードが5より大きいか否か教えよう』
「えーと、それってつまり、ああ、こっち損だよ。流局宣言しないつーことはこっちにもう選択肢ないじゃん。喰いタン、ドラ3の相手にリーチするようなもんじゃん」
『鋭い。仕方ないので、条件を追加しよう。君が流局放棄したら、君のカードが5より大きいか小さいか教えて、更にこっちも流局宣言しよう』
「質問」
『どうぞ』
「仮に、このカードが5だとしたら、どっちに入るの?」
『そのカードが5であることが、勝負に関係するんだね?』
「はぐらかすな」
『じゃあ、5より大きいか、5以下か、ということで。これなら数学的にOKだよね』
「うん」



【読者への挑戦状】
a.このあと、トイレ掃除をしたのは、誰ですか?
b.「」が条件を飲んだ場合、「」が勝利する確率はいくつか?



ミステリィを書くって、難しいなあ。